GPR119作動薬DA-1241はTFEB介在性オートファジーの亢進を介して脂肪肝を改善する
総合: 81.5革新性: 9インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8
概要
DA-1241はGPR119を活性化し、TFEBの核内移行・オートファジー・リソソーム活性を亢進して肝脂質蓄積を低減した。TFEBまたはGPR119の欠損で効果が消失し、TFEB介在性オートファジーが作用機序であることが示された。
主要発見
- DA-1241は肝細胞モデルでTFEBの核内移行とオートファジーを誘導し、リソソーム活性を増加させた。
- 高脂肪食マウスで肝トリグリセリド、肝酵素、NAFLDアクティビティスコアを低下させ、耐糖能とインスリン感受性を改善した。
- GPR119ノックダウンやTFEB欠損(細胞および肝特異的ノックアウト)では抗脂肪肝効果が失われ、TFEB依存性が示された。
臨床的意義
2型糖尿病患者のNAFLD/脂肪性肝疾患に対するGPR119作動薬の臨床試験推進を支持し、オートファジーやTFEB関連指標を用いたバイオマーカー戦略が有用となる可能性がある。
なぜ重要か
創薬可能なGPCRであるGPR119とTFEB駆動のオートファジーを機序的に結びつけ、脂肪肝を反転させうる経路を提示した点で、糖尿病合併NAFLDの治療開発に直結する。
限界
- 前臨床モデルに限定されており、NAFLD患者での薬力学と安全性は未検証。
- HeLa由来のTFEB欠損や肝細胞系はヒト肝細胞生理を完全には再現しない可能性がある。
今後の方向性
オートファジー/TFEBバイオマーカーを用いたDA-1241のNAFLD/MASLDに対する初回臨床試験の実施。他のオートファジー調節薬との比較やNASH線維化モデルでの検証。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理/治療
- エビデンスレベル
- III - 細胞・マウスモデルにおける対照付き前臨床機序研究
- 研究デザイン
- OTHER