尿素刺激コペプチン:多尿・多飲症候群における新規診断アプローチ
総合: 81.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
経口尿素負荷は健常者および原発性多飲症でコペプチンを上昇させる一方、AVP欠乏症では上昇しません。120分時点の3.5 pmol/Lというカットオフで感度・特異度ともに93%を達成し、外来で実施可能な初のコペプチンベース鑑別法を確立しました。
主要発見
- 健常者では経口尿素により120分でコペプチンが4.6から10.1 pmol/Lへ上昇し、プラセボでは変化しなかった(P<.001)。
- AVP欠乏症では全経過でコペプチンは検出限界未満、一方、原発性多飲症では150分に約7.4 pmol/Lでピーク。
- 120分時点の3.5 pmol/LというカットオフでAVP欠乏症と原発性多飲症の鑑別に感度・特異度ともに93%を達成した。
臨床的意義
外来での鑑別に経口尿素コペプチン検査を導入することで、中枢性尿崩症と原発性多飲症のトリアージが容易になり、高張食塩水法の依存を減らせます。外部検証と安全管理の整備が必要です。
なぜ重要か
多尿・多飲症候群の鑑別において、高張食塩水法の代替となる簡便・高精度な診断法を提示します。
限界
- 健常者・患者ともにサンプルサイズが小さい
- 患者パイロットは非盲検であり、外部検証が未実施
今後の方向性
多施設での標準化手順による検証、部分的AVP欠乏や腎性尿崩症での性能評価、併存症を含む安全性・忍容性の検討。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- I - 無作為化二重盲検クロスオーバー試験(患者パイロットの補強あり)
- 研究デザイン
- OTHER