症候性末梢動脈疾患と2型糖尿病患者におけるセマグルチドと歩行能力(STRIDE):第3b相二重盲検無作為化プラセボ対照試験
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
症候性末梢動脈疾患と2型糖尿病の患者792例で、週1回1.0mgのセマグルチドは52週後の最大歩行距離を有意に改善しました(治療比1.13、p=0.0004)。安全性プロファイルは良好で、治療関連の重篤な有害事象は少なく、治療関連死は認めませんでした。
主要発見
- 52週時の最大歩行距離はセマグルチドで有意に改善(治療比1.13、95%CI 1.06–1.21、p=0.0004)。
- ベースライン比の中央値はセマグルチド1.21、プラセボ1.08。
- 治療関連の重篤な有害事象は稀(1–2%)で、治療関連死はなし。
臨床的意義
ガイドライン推奨治療や監視下運動療法に加え、PAD合併2型糖尿病患者の機能改善目的でセマグルチドの併用を検討できます。消化器系有害事象のモニタリングが必要です。
なぜ重要か
有効な選択肢が限られる末梢動脈疾患において、GLP-1受容体作動薬が歩行能力を改善することを示した高品質RCTであり、臨床実装に直結する可能性があります。
限界
- 対象はFontaine IIaのPAD合併2型糖尿病であり(>200m歩行可能)、より重症例や非糖尿病例への一般化が限定的
- 作用機序や非糖尿病PADでの効果は未検討
今後の方向性
内皮機能・炎症・微小循環などの機序解明、非糖尿病PADでの有効性・安全性評価、他のGLP-1RAやSGLT2阻害薬との機能的アウトカム比較が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化二重盲検プラセボ対照の第3b相試験
- 研究デザイン
- OTHER