視床下部内皮細胞におけるNotchシグナル低下は肥満誘発性の糖取り込みとインスリンシグナル異常を媒介する
総合: 84.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
短期間の高脂肪食により視床下部内皮のNotchシグナルが抑制され、GLUT1と脳内糖取り込みが低下する。Notch活性化はin vivoおよび培養内皮細胞でこれを回復させ、肥満における神経血管標的としての内皮Notchの可能性を示す。
主要発見
- 短期高脂肪食は脳微小血管内皮細胞におけるNotchシグナルを迅速に低下させる。
- HFDマウス血清曝露下の培養内皮細胞で、Notch活性化はGLUT1発現と解糖を回復する。
- 内皮特異的Notch細胞内ドメイン発現は、HFD誘発のGLUT1低下と視床下部糖取り込み低下をin vivoで防止する。
- 短期HFDで内皮のCaveolin-1発現が増加する。
臨床的意義
前臨床段階ながら、内皮Notch-GLUT1経路の標的化は、肥満や2型糖尿病における中枢の糖感知・インスリンシグナル改善に繋がる治療戦略を示唆する。
なぜ重要か
食餌性肥満が中枢の糖取り扱い異常へ至るBBB機序を提示し、内皮シグナルを標的とした代謝恒常性回復戦略の道を開くため重要である。
限界
- 抄録が途中で途切れており(例:Notch活性化とCav-1の関係)、下流機序の詳細が不明。
- 短期高脂肪食モデルであり、慢性肥満への外的妥当性検証が必要。
今後の方向性
内皮NotchがBBBにおけるカベオラ輸送やインスリンシグナルとどのように連関するかを解明し、慢性代謝疾患モデルでの薬理学的介入を検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - マウスおよび細胞を用いた前臨床の機序研究。
- 研究デザイン
- OTHER