代謝異常関連脂肪性肝疾患（MASLD）および脂肪性肝炎（MASH）のグローバル・コンセンサス推奨

概要

本コンセンサスは61件の最新指針を統合し、90％超の合意を得た声明と実践的アルゴリズムを提示しました。レスメチロム時代におけるT2Dでの必須スクリーニング、FIB-4やVCTEによる非侵襲的線維化評価、進行線維化例でのサーベイランス等を強調しています。

主要発見

• 61件の指針を統合し、4回のデルファイで90％超の合意による声明を作成。
• 特にT2Dなど高リスク集団でのMASLDスクリーニングと非侵襲的線維化評価を推奨。
• レスメチロム時代に即した診断・リスク層別化・サーベイランスのアルゴリズムを提示。

臨床的意義

T2DではMASLDの系統的スクリーニングを行い、FIB-4とVCTEに基づく線維化リスク判定を実装。適切なMASH表現型にはレスメチロムを検討し、進行線維化・肝硬変ではHCCサーベイランスを実施。体重減少を含む包括的代謝管理が基本です。

限界

• 合意は元となる指針のエビデンス質の不均一性に依存。
• 地域適応や新規試験結果に応じた将来の改訂が必要。

今後の方向性

多様な医療体制でのアルゴリズム前向き検証、T2D診療経路への統合、レスメチロムを含む戦略の実臨床有効性評価が求められる。