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小児期早期の身長・体重・BMI発育と単一遺伝子性肥満:欧州多施設後ろ向き観察研究

The Lancet. Child & adolescent health2025-04-18PubMed
総合: 81.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 9

概要

遺伝学的に確定した単一遺伝子性肥満147例で、両アレル変異は1年目の急峻なBMI上昇とその後のプラトー(LEP/LEPR/MC4R)を示し、線成長の加速は両アレルMC4Rでのみ認めた。2歳時のBMI約24 kg/m2は両アレル変異の鑑別に有用であった。

主要発見

  • 生後6か月以降、LEP/LEPR/MC4R/POMCの両アレル変異群は、一アレルMC4Rや対照よりBMIが著しく高かった。
  • LEP/LEPR/MC4R両アレルでは1年目に急増し、5歳までプラトーを呈したが、POMC両アレルではプラトーがみられなかった。
  • 線成長の加速は1歳以降のMC4R両アレル例でのみ観察された。
  • 2歳時BMI約24 kg/m2が両アレル変異と対照の識別に有用であった。

臨床的意義

重症の早発性肥満小児では、2歳時BMI ≥24 kg/m2や特異な成長パターンを認めた場合、レプチン‐メラノコルチン経路の両アレル変異の評価と精密医療の適応を検討すべきである。

なぜ重要か

単一遺伝子性肥満の早期識別に資する成長曲線ベースの基準を提示し、遺伝学的検査や分子標的治療(例:セトメラノチド)の適切な導入に貢献する。

限界

  • 後ろ向きデザインであり、施設間で測定時期が不均一。
  • 重症例への紹介バイアスの可能性があり、外部妥当化が必要。

今後の方向性

多様な集団でのBMIカットオフの前向き妥当化、早期内分泌バイオマーカーとの統合、遺伝学的検査や分子標的治療の介入時期・転帰への影響評価。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
診断
エビデンスレベル
III - 遺伝学的確定診断を伴う多施設後ろ向き観察コホート
研究デザイン
OTHER