メインコンテンツへスキップ

41カ国を網羅するヒト腸内メタゲノム由来ゲノムカタログはゲノム規模代謝モデルを支える

Nature microbiology2025-12-05PubMed
総合: 83.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 10

概要

HRGM2は41カ国・4,824種から15万超のほぼ完全な腸内ゲノムを提供し、既存カタログを大幅に上回る多様性と品質を達成しました。本リソースは種・株の同定を高精度化し、自動化・高信頼のゲノム規模代謝モデルを支え、疾患関連の微生物代謝ネットワーク解析を可能にします。

主要発見

  • 41カ国・4,824種から完全性90%以上・混入5%以下の非冗長なほぼ完全ゲノム155,211本を構築した。
  • UHGG比でゲノム数66%増、種多様性50%増を達成し、種・株解像度とレジストーム解析を向上させた。
  • ほぼ完全ゲノムのみを用いることで高信頼の自動化ゲノム規模代謝モデルが可能となり、疾患関連の微生物代謝相互作用を明らかにした。

臨床的意義

宿主の内分泌・代謝恒常性に影響する微生物代謝能・相互作用の信頼性高い推定を可能にし、代謝症候群、糖尿病、肥満のトランスレーショナル研究を加速します。

なぜ重要か

代謝・内分泌関連疾患の機序研究や介入設計に不可欠な、堅牢な代謝モデリングを可能にする基盤的かつ世界代表性の高いゲノム資源です。

限界

  • 広域カバレッジにもかかわらず、サンプリング・バイアスの可能性は残る。
  • MAGに基づく再構築はほぼ完全であっても、プラスミドや低存在領域が欠落し代謝推定に影響する可能性がある。

今後の方向性

過少代表地域と縦断サンプリングの拡充、宿主表現型・メタボロミクスとの連結、予測された微生物代謝相互作用の実験的・臨床的検証が求められる。

研究情報

研究タイプ
リソース/データ論文
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
III - 機序・トランスレーショナル研究を可能にする高品質ゲノム資源
研究デザイン
OTHER