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自然免疫細胞由来BAFFは非古典的NF-κB活性化を介してICOSLの炎症反応を促進する

Molecular therapy : the journal of the American Society of Gene Therapy2025-12-07PubMed
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8

概要

本研究は、患者コホートとマウスモデルで病勢進行に関連するICOSL陽性B細胞サブセットを同定し、自然免疫細胞由来BAFFが非古典的NF-κB経路を活性化して炎症反応を促進することを示した。1型糖尿病の病態にBAFF–ICOSL–B細胞軸を位置付け、治療標的候補としての可能性を示唆する。

主要発見

  • ICOSLを発現するB細胞サブセットを同定し、ヒトコホートおよびマウスモデルで1型糖尿病進行と関連した。
  • 自然免疫細胞由来BAFFが非古典的NF-κB活性化を引き起こし、ICOSL陽性B細胞の炎症反応を促進した。
  • 機能解析により、1型糖尿病の病態に関与するBAFF–ICOSL–B細胞の炎症経路が支持された。

臨床的意義

直ちに実臨床を変えるものではないが、BAFF–ICOSL軸はバイオマーカー開発やBAFF/ICOSL標的治療の臨床試験設計に資する可能性がある。

なぜ重要か

T細胞偏重の概念を超え、1型糖尿病における新たなB細胞中心の経路を明確化し、免疫調節の新規標的を提示する点で革新的である。

限界

  • 要旨に症例数や効果量の記載がなく、統計的頑健性の評価が難しい。
  • 臨床応用は未検証であり、BAFF–ICOSL軸を標的とした介入的検証がない。

今後の方向性

前向き1型糖尿病コホートでICOSL陽性B細胞のバイオマーカー妥当性を検証し、前臨床モデルでのBAFF/ICOSL標的介入の評価を経て第I/II相試験へ展開する。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
III - 患者コホートでの観察的関連に機序実験の裏付けがあるが、無作為化介入は実施していない。
研究デザイン
OTHER