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TEDDY研究:膵島自己免疫を有する小児では2型糖尿病の家族歴が1型糖尿病の発症を遅らせる

Diabetologia2025-12-08PubMed
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

TEDDYコホート(n=8,676)では、1型糖尿病の一次近親者は膵島自己免疫の発症リスクを高めた一方、二次近親者の2型糖尿病は自己抗体陽性から1型糖尿病への進展を有意に遅延させた(HR 0.61)。家族要因が1型糖尿病の「開始」と「進展」に異なる影響を与えることを示す。

主要発見

  • 一次近親者の1型糖尿病は膵島自己免疫の発症リスクを上昇させた(HR 2.2)。
  • 二次近親者の2型糖尿病は自己抗体陽性から1型糖尿病への進展を遅延させた(HR 0.61)。
  • 他の糖尿病型や自己免疫疾患の家族歴は進展との関連を示さなかった。

臨床的意義

自己抗体陽性小児のリスク説明とモニタリングにおいて、家族歴の詳細が有用となる。一次近親者の1型糖尿病は自己免疫発症リスク上昇の指標となり、二次近親者の2型糖尿病は進展遅延の可能性を示し、追跡強度や試験の層別化に資する。

なぜ重要か

大規模で厳密な前向きコホートにより、2型糖尿病の家族歴が1型糖尿病への進展を遅らせ得るという新知見を提供し、病期別のリスク層別化と病態理解を再構築する可能性がある。

限界

  • 家族歴は質問票ベースであり、分類誤差の可能性
  • 高リスクHLA児への適用であり、一般集団への一般化には限界

今後の方向性

二次近親者の2型糖尿病が進展遅延と関連する遺伝・環境の媒介因子を解明し、代謝特性や腸内細菌叢を統合。自己抗体陽性小児でのリスク適応型モニタリング・予防介入の検証が必要。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
II - 前向き観察コホートによる時間依存解析。
研究デザイン
OTHER