ガレクチン関連タンパク質は糖尿病関連神経障害性疼痛を駆動する主要因子である
総合: 83.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
プロテオミクスとin vivoモデルを用いて、糖尿病性神経障害性疼痛では髄液およびACC外液でLGALSLが上昇していること、外因性LGALSLがACCのグルタミン酸作動性ニューロンを活性化して痛覚閾値を低下させることを示した。LGALSLは中枢性感作の機序的ドライバーであり治療標的候補となる。
主要発見
- プロテオミクスによりDNPモデルラットの髄液およびACC外液でLGALSLの上昇が同定された。
- LGALSL外因性投与は機械的痛覚閾値を低下させた。
- 機序は前帯状皮質におけるグルタミン酸作動性ニューロンの活性化を介する。
臨床的意義
前臨床段階ではあるが、LGALSLは糖尿病性神経障害性疼痛のバイオマーカーおよび治療標的となり得る。今後はLGALSL阻害/調節薬の評価やヒト髄液でのLGALSL測定による患者層別化の検証が望まれる。
なぜ重要か
LGALSLと糖尿病性神経障害性疼痛を結び付ける初の機序的報告であり、新規タンパク質と脳回路機構を提示し、鎮痛薬開発への応用可能性がある。
限界
- 前臨床のげっ歯類モデルであり、ヒトでの検証が欠如
- ACCの興奮性回路以外の下流機序の全容は未解明
今後の方向性
ヒト集団(髄液・脳組織)でのLGALSL検証、受容体・相互作用分子と下流シグナルの同定、複数のDNPモデルでのLGALSL薬理学的介入の評価が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - 前臨床の機序研究(疾患モデル対照比較)であり、臨床的有効性エビデンスではない。
- 研究デザイン
- OTHER