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GLP-1受容体はERMCSでVAPBおよびSPHKAPと結合しβ細胞のミトコンドリア再構築と機能を制御する

Nature communications2025-12-11PubMed
総合: 84.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 9

概要

GLP-1RA刺激により、エンドソーム上のGLP-1受容体が小胞体係留因子VAPBとAKAPであるSPHKAPとERMCSで会合し、局所cAMP/PKAシグナルのハブを形成する。これによりMICOSのリン酸化が変化し、ミトコンドリア再構築を介してβ細胞のインスリン分泌とストレス耐性が向上する。

主要発見

  • GLP-1RA刺激後、エンドソーム上のGLP-1受容体はERMCSでER係留因子VAPBと結合する。
  • GLP-1受容体はSPHKAPを介してPKA-RIα凝集体を形成し、ERMCS局在のcAMP/PKAシグナルを生成する。
  • MICOSのリン酸化とミトコンドリア再構築が起こり、β細胞のインスリン分泌とストレス耐性が向上する。
  • T2D/肥満GWASに関連するSPHKAPが本経路の重要なAKAP足場として機能する。

臨床的意義

GLP-1受容体作動薬がERMCSでの局所cAMP/PKAシグナルを組織化してβ細胞機能を維持し得ることを支持する。SPHKAP/VAPB複合体は2型糖尿病でβ細胞のレジリエンスを高める新規治療標的となり得る。

なぜ重要か

GLP-1受容体活性化をSPHKAPを介したミトコンドリア再構築とβ細胞適応に結びつけるエンドソーム–ER–ミトコンドリア軸を解明した。GWASで示唆された足場分子を介する機序は、次世代インクレチン療法やβ細胞保護戦略に資する。

限界

  • 前臨床の機序研究であり、無作為化臨床検証はない
  • 疾患各段階でのin vivoにおける量的因果寄与は未確立

今後の方向性

SPHKAP/VAPB複合体標的化がin vivoでβ細胞の生存・機能を高めるか、またERMCS局在PKAシグナルを薬理学的に調節してGLP-1RAの効果を増強できるかを検証する。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序解明研究
研究領域
病態生理/治療
エビデンスレベル
III - 複数モデル系での対照付き前臨床実験的エビデンス
研究デザイン
OTHER