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急性呼吸不全に対する一般病棟での早期非侵襲的換気:国際多施設オープンラベル無作為化試験

British journal of anaesthesia2025-01-04PubMed
総合: 79.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7

概要

一般病棟で管理された軽度急性呼吸不全成人524例では、早期NIVにより重症呼吸不全への進展が有意に抑制された(18.5% vs 28.3%;相対リスク0.65、95%CI 0.48–0.90、P=0.008)。入院期間、28日死亡、呼吸器合併症、有害事象には差がなかった。

主要発見

  • 重症急性呼吸不全への進展は早期NIV群で低かった(18.5%)のに対し、通常ケア群は28.3%(RR 0.65[95%CI 0.48–0.90]、P=0.008)。
  • 28日死亡率に差はなかった(各1.8%;RR 1.01、95%CI 0.87–1.16)。
  • 呼吸器合併症、入院期間、有害事象にも有意差は認められなかった。
  • 多国間・一般病棟で実施され、外的妥当性が高い。

臨床的意義

一般病棟で軽度急性呼吸不全に対し早期にNIVを導入することで、重症化やICU転棟を減らせる可能性がある。人員配置やモニタリング、導入・離脱基準の標準化が重要である。

なぜ重要か

一般病棟での早期NIVが悪化を予防し害を増やさないことを示す実践的な多国間RCTであり、集中治療以外の場での呼吸管理方針に直接資する。

限界

  • オープンラベルのためパフォーマンスバイアスの可能性
  • 軽症の急性呼吸不全に限定され、重症例への一般化は不明

今後の方向性

病棟環境における最適な患者選択・導入タイミング・設定の検討、資源利用やICU転棟削減効果の評価、長期転帰・患者中心アウトカムの検証が必要。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 臨床的に重要なアウトカムを用いた多国間ランダム化比較試験
研究デザイン
OTHER