重症肺気腫に対する外科的および気管支鏡的肺容量減少:系統的レビューとネットワーク・メタアナリシス
総合: 79.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
25件のRCT(4,283例)で、LVRSはFEV1や6分間歩行距離、呼吸困難の改善が最大である一方、中期死亡が増加(RR 3.26)。EBVや気管支内コイル(EBC)も有効だが気胸リスクが上昇し、EBVは死亡のわずかな増加(RR 2.06)を示した。有効性とリスクのバランスを踏まえた個別選択が重要である。
主要発見
- 7種類の手技を含む25件のRCT(n=4,283)を比較。
- LVRSはFEV1、6分間歩行距離、症状を最大限改善するが、中期死亡が増加(RR 3.26, 95%CrI 1.98–6.21)。
- EBVは機能改善を示すが気胸が増加し、中期死亡もわずかに上昇(RR 2.06, 95%CrI 1.07–4.36)。
- EBCも有効だが気胸リスクあり。BLVRの長期生存データは依然として限られる。
臨床的意義
最大の機能改善と引き換えに初期死亡リスク上昇を許容できる厳選症例でLVRSを検討。裂隙形態と側副換気が適合する場合はEBV/EBCを代替とし、気胸監視と意思決定支援を徹底します。
なぜ重要か
主要な肺容量減少法を横断的に比較統合し、これまで断片的だった比較データを補完して重症肺気腫の治療選択を具体的に支援します。
限界
- 中期(6か月以内)死亡に焦点が当たり、長期生存の推定が難しい。
- 患者選択、裂隙完全性、術者熟練度などの異質性が存在。
今後の方向性
気胸管理の標準化と長期生存を主要評価項目とした直接比較試験および個別データのネットワーク解析で、至適手技選択を精緻化する必要があります。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験に基づくネットワーク・メタアナリシス。
- 研究デザイン
- OTHER