メインコンテンツへスキップ

MFSD6は呼吸器エンテロウイルスD68の侵入受容体である

Cell host & microbe2025-01-12PubMed
総合: 88.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 9

概要

本研究は、MFSD6がEV-D68の細胞付着・侵入に必須の受容体であることを示し、MFSD6-Fcデコイがin vitroでの取り込みと感染を阻害し、新生マウスの致死を予防することを示した。治療標的となる侵入機構を提示する。

主要発見

  • MFSD6はEV-D68の付着に必須であり、ウイルス複製を支える。
  • MFSD6の第2外部ドメインがEV-D68認識に関与する。
  • MFSD6-Fc外部ドメインデコイはin vitroでEV-D68の取り込みと感染を強力に阻害する。
  • MFSD6-FcはEV-D68曝露新生マウスの致死を予防する。

臨床的意義

MFSD6-Fcのような侵入阻害バイオ医薬は、重症呼吸器疾患や急性弛緩性麻痺リスクの高い小児集団で、EV-D68流行時の予防や早期治療として開発可能である。

なぜ重要か

MFSD6をEV-D68の侵入因子として初めて示し、生体内致死を防ぐデコイ戦略まで提示した点で高い革新性・転換性がある。小児の主要呼吸器病原体に対する抗ウイルス開発の道を拓く。

限界

  • 臨床検証がない前臨床段階の研究である。
  • EV-D68各系統への広範な有効性や耐性化経路は十分検討されていない。

今後の方向性

EV-D68各系統でのMFSD6依存性とMFSD6-Fcの有効性を検証し、安全性・薬物動態を評価するとともに、中和抗体やカプシド結合薬との併用効果を検討する。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - in vitro試験とマウス生体内有効性を含む前臨床機序研究
研究デザイン
OTHER