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MA104細胞株はヒトボカウイルス1型感染に感受性を示す

Journal of virology2025-01-23PubMed
総合: 79.0革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 9

概要

36種の細胞株スクリーニングにより、HBoV1の侵入・複製・感染性粒子産生まで全生活環を支持する初の感受性細胞株MA104が同定されました。I型インターフェロン経路の抑制は複製を促進し、トランスクリプトーム解析は自然免疫や膜関連経路の関与を示しました。

主要発見

  • 29のヒト、7の動物細胞株の中で、MA104のみがHBoV1の全生活環(侵入・複製・感染性子孫産生)を支持した。
  • インターフェロン経路の抑制はMA104細胞でのHBoV1ゲノム複製を促進した。
  • RNA-seqにより、感染に伴い自然免疫や炎症応答、PI3K-Akt/MAPKシグナル、膜系の再構築が活性化されることが示された。

臨床的意義

直接の診療変更はないものの、感受性細胞株の確立により、HBoV1関連呼吸器疾患の診断法、抗ウイルス薬、ワクチンの開発・評価が加速します。

なぜ重要か

臨床的に重要な呼吸器病原体HBoV1の全生活環培養を可能にする初の細胞系であり、機序解明や抗ウイルス薬・ワクチン開発を加速させます。

限界

  • 結果はin vitroであり、病原性のin vivo検証がない。
  • MA104はヒト由来ではない(サル腎由来)細胞であり、ヒト気道上皮への直接的な外挿に限界がある。

今後の方向性

MA104を用いたハイスループット抗ウイルススクリーニングやワクチン研究、受容体・侵入因子の同定、ヒト気道オルガノイドでの検証を進める。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
IV - 臨床対象を含まないin vitroの機構解明実験
研究デザイン
OTHER