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米国退役軍人におけるRSVワクチン有効性(2023年9月〜2024年3月):標的試験模倣研究

The Lancet. Infectious diseases2025-01-24PubMed
総合: 80.0革新性: 7インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 9

概要

29万3,704例(接種146,852例)を対象とした標的試験模倣で、RSVワクチンはRSV感染に対して78.1%、RSV関連の救急・緊急受診および入院に対して約79〜80%の有効性を示した(中央値124日追跡)。60歳以上への接種推奨を強く支持する結果である。

主要発見

  • RSV感染に対する有効性は78.1%(95%CI 72.6–83.5)。
  • RSV関連の救急・緊急受診に対する有効性は78.7%、入院に対しては80.3%。
  • 中央値124日の追跡、接種146,852例の大規模マッチドコホートで実臨床上の推論が堅牢。

臨床的意義

60歳以上の定期的RSVワクチン接種を支持し、感染予防と救急・入院の減少を示す。季節性RSVに対する医療体制計画の根拠を補強する。

なぜ重要か

高齢者における新規承認RSVワクチンの実臨床有効性を、臨床的に重要な転帰で定量化したタイムリーな知見であり、政策・導入促進・リスクベネフィット説明に直結する。

限界

  • 観察研究であり、マッチング後も残余交絡の可能性がある
  • 退役軍人(高齢男性が多数)に偏る集団で一般化可能性に制約

今後の方向性

今後のシーズンや変異動向での持続性、脆弱性・併存症などのサブグループ有効性、至適接種時期や同時接種戦略の最適化を検討する。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予防
エビデンスレベル
II - 標的試験模倣を伴う良質な観察コホート研究
研究デザイン
OTHER