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ラベルフリー表面増強ラマン分光法とディープラーニングを用いたウイルス重複感染の多重検出および定量

ACS sensors2025-01-28PubMed
総合: 80.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 9

概要

ラベルフリーSERSとディープラーニングを組み合わせたMultiplexCRは、唾液から15分以内に呼吸器ウイルスの重複感染を高精度で分類・定量。11種ウイルスと混合条件で120万超スペクトルを学習し、分類精度98.6%、濃度推定でも高精度を示し、ブラインド試験でも性能を維持した。

主要発見

  • 唾液中の11種ウイルス、二重混合9条件、三重混合4条件から120万超のSERSスペクトルを取得。
  • 重複感染分類で98.6%の精度、濃度回帰で平均絶対誤差0.028を達成。
  • ブラインド試験でも一貫して高精度かつ精密な定量を示し、全工程は約15分で完了。
  • 高感度のラベルフリー検出を可能にするシリカ被覆銀ナノロッド基板を使用。

臨床的意義

臨床検証が進めば、単独感染と重複感染の即時鑑別やウイルス量の定量が可能となり、隔離や抗ウイルス薬選択、アウトブレイク制御に資する。

なぜ重要か

呼吸器感染症に対する多重・定量・迅速なPOC診断を実現し、流行期やパンデミックでの診療や抗菌薬適正使用を大きく変革し得る。

限界

  • 実患者コホートや多様な唾液マトリックスでの臨床検証が未報告
  • SERS基板製造のばらつきやマトリックス効果により、管理外環境での堅牢性が影響を受け得る

今後の方向性

多施設前向き臨床検証、マトリックス変動への堅牢性評価、RT-PCRや抗原検査との直接比較、POC実装に向けた規制承認の道筋構築。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
診断
エビデンスレベル
IV - 患者アウトカムを伴わない診断法開発・バリデーション(臨床観察研究未満)
研究デザイン
OTHER