禁煙のための電子タバコ
総合: 85.0革新性: 6インパクト: 9厳密性: 10引用可能性: 9
概要
本リビング・コクランレビュー(90件、RCT49件、29,044例)では、ニコチン含有ECがNRT(RR 1.59, 95% CI 1.30–1.93)および非ニコチンECに比べ長期禁煙率を高めた。重篤有害事象は稀で比較群に対する明確な超過はみられなかったが、安全性の十分な評価にはより長期・大規模な試験が必要である。
主要発見
- ニコチン含有ECはNRT(高確実性)および非ニコチンEC(中等度確実性)より禁煙率を高める。
- 重篤有害事象は稀で、NRTや非ニコチンECとの差は明確でない。
- 有害事象の推定は不精確で、長期安全性には長期・大規模RCTが必要。違法・THC含有製品は害のプロファイルが異なる可能性がある。
臨床的意義
ニコチン含有ECをNRTや行動療法と並ぶ禁煙選択肢として提示し、規制製品の使用と長期安全性未確定である旨のフォローを行う。
なぜ重要か
慢性呼吸器疾患の負担軽減に直結する禁煙支援の臨床ガイドライン・規制に高確実性の根拠を提供する。
限界
- 高品質RCT数の限界とイベント率の低さにより推定に不精確さが残る
- 6–12か月を超える長期安全性は未確立
今後の方向性
長期安全性・禁煙持続率の評価および併用薬物療法との直接比較を目的とした十分な規模・期間のRCTを実施する。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- I - 多数のRCTを含むCochrane系統的レビュー(GRADE評価付き)
- 研究デザイン
- OTHER