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生後1年のRSV入院に対する出生時およびキャッチアップnirsevimab免疫の有効性:スペイン2023/24シーズンの集団ベース症例対照研究

Euro surveillance : bulletin Europeen sur les maladies transmissibles = European communicable disease bulletin2025-02-07PubMed
総合: 78.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 8

概要

全国規模の一致症例対照解析により、nirsevimabはRSV入院をキャッチアップで71~80%、出生時投与で78~83%低減し、ICU入室や人工呼吸の抑制効果も同程度であった。早産児・低出生体重児では効果がやや低かったが、依然として有意であった。

主要発見

  • キャッチアップの有効性:ITT 71%(95%CI 65–76)、PP 80%(95%CI 75–84)。
  • 出生時の有効性:ITT 78%(95%CI 73–82)、PP 83%(95%CI 79–87)。
  • ICU入室・人工呼吸に対しても保護効果を示し、早産児・低出生体重児では有効性が約60~70%にやや低下。

臨床的意義

nirsevimabの広範な接種により、RSV入院や集中治療の需要が大幅に減ることが見込まれる。効果がやや低下する早産児・低出生体重児には重点的な周知・接種を行うべきである。

なぜ重要か

乳児への普遍的RSV免疫予防の実臨床有効性を強固に示し、RSVシーズンにおける迅速な政策実装と資源配分を後押しする。

限界

  • 観察研究であり残余交絡や誤分類の影響を受けうる。
  • 評価は1シーズンに限定され、持続性や季節間変動は未評価。

今後の方向性

複数シーズンでの持続性、費用対効果、実装戦略の検証;高リスク群での効果や母子免疫(母体RSVワクチン)との相互作用の評価が望まれる。

研究情報

研究タイプ
症例対照研究
研究領域
予防
エビデンスレベル
III - 逆確率重み付けによる因果推定を伴う集団ベース一致症例対照研究。
研究デザイン
OTHER