オミクロン変異の進化に耐性な治療抗体選定に向けた深層変異学習
総合: 86.0革新性: 9インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 9
概要
オミクロンBA.1 RBDの深層変異ライブラリとアンサンブル深層学習により、抗体の結合/エスケープを予測し、進化に強い相補的2抗体組み合わせを同定した。本アプローチは新興変異にも有効な治療抗体の前向き選定を可能にする。
主要発見
- 高変異距離のオミクロンBA.1全長RBDライブラリを構築し、ACE2および抗体結合でスクリーニングした。
- 多様なエピトープを標的とする8つの治療抗体候補について、結合/エスケープを予測するアンサンブル深層学習モデルを学習した。
- 数百万配列でのin silico進化により、進化に対する相補的・高耐性の2抗体組み合わせを同定した。
臨床的意義
予防・治療用途の持続的抗体カクテル開発を後押しし、備蓄や新規変異への迅速対応に資する。エピトープの相補性設計によりエスケープを最小化できる。
なぜ重要か
現行COVID-19抗体薬の主要な失敗要因である「進化による逃避」に対し、進化耐性の抗体設計を可能にする汎用的AIフレームワークを提示する。
限界
- 計算予測は新規変異に対する継続的な実験検証を要する
- RBD標的抗体に焦点を当てており、非RBDエピトープは未検討
今後の方向性
AI選定抗体カクテルの前向き臨床応用、非RBDエピトープやポリクローナル混合への拡張、ウイルス科を越えた汎化性の公開ベンチマーク構築。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎・機序研究
- 研究領域
- 治療/予防
- エビデンスレベル
- V - 治療設計に向けた計算と実験の前臨床エビデンス
- 研究デザイン
- OTHER