COVID-19成人における覚醒時腹臥位:個別患者データ・メタ解析
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
14件のRCT(n=3019)を統合すると、覚醒時腹臥位は挿管回避生存を改善し、挿管(OR 0.70)と院内死亡(OR 0.77)を減少、挿管までの時間も延長しました。導入初期3日間で1日10時間以上の実施が最も有益でした。
主要発見
- APPは挿管回避生存を改善(OR 1.42;95% CI 1.20–1.68)。
- APPは挿管(OR 0.70;95% CI 0.59–0.84)と院内死亡(OR 0.77;95% CI 0.63–0.95)を減少。
- 挿管までの時間は0.93日延長(95% CI 0.43–1.42)。
- 初期3日間で1日≥10時間のAPPが挿管回避生存の上昇と関連(OR 1.85;95% CI 1.37–2.49)。
- 効果はサブグループ間で一貫し、交互作用は認められなかった。
臨床的意義
COVID-19急性低酸素性呼吸不全では、早期にAPPを導入し初期3日間で1日10時間以上を目標とすることで挿管・死亡を減らせます。達成のために手順策定、人員配置、苦痛軽減策が必要です。
なぜ重要か
IPDメタ解析により試験間の不一致を整理し、施行時間の実践的な目安を示したため、低酸素性呼吸不全時の標準化導入を後押しします。
限界
- APP手順、遵守度、併用療法に試験間の不均質性がある。
- COVID-19以外のAHRFへの外的妥当性は未確立。
今後の方向性
APPの提供最適化(快適性、鎮静回避策)に関する実装試験、非COVID AHRFでの効果検証、他の非侵襲的サポートとの統合評価が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験の個別患者データ・メタ解析であり、最高水準のエビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER