ヒト気道基底細胞の化合物スクリーニングにより再生促進治療の候補となるWnt経路活性化剤を同定
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8
概要
ヒト気道基底細胞で1,429化合物をスクリーニングし、Wnt経路活性化剤やアバカビルを含む17化合物を同定。1-アザケンパウロンはマウスでWnt標的遺伝子を活性化し基底細胞を拡大し、Wnt調節が再生戦略となることを示しました。
主要発見
- 1,429化合物のスクリーニングでヒト気道基底細胞の増殖促進17化合物を検証。
- 複数のWnt活性化剤とアバカビルがコロニー形成・3Dオルガノイドで増殖を促進。
- 1-アザケンパウロンはマウスでWnt標的遺伝子を活性化し基底細胞を拡大。
臨床的意義
損傷・感染後の気道修復に用いうる候補低分子を提示し、上皮障害疾患(COPD、ウイルス後障害など)への応用可能性を示唆します(安全性・有効性の検証が前提)。
なぜ重要か
基底幹細胞のWntシグナルを標的とした気道上皮再生の薬理学的促進に道を開く成果です。
限界
- 増殖促進は粘液線毛分化やバリア機能回復を保証しない。
- Wnt活性化は発がんリスクがあり、安全性・至適用量・持続性の慎重な検証が必要。
今後の方向性
Wnt調節後の分化・粘液線毛機能を評価し、用量・投与法を最適化。慢性障害モデルでの安全性を検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- V - in vitroとin vivo検証を伴う前臨床スクリーニング研究
- 研究デザイン
- OTHER