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鼻甲介の異所性胚中心は鼻腔内ウイルス感染・ワクチン接種に対するB細胞免疫に寄与する

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America2025-03-20PubMed
総合: 84.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8

概要

上気道を標的としたインフルエンザ感染・免疫は、古典的NALTの外側で鼻甲介に強力な胚中心を誘導した。鼻甲介の胚中心は組織常在性B細胞の生成と局所抗体産生を高め、マウスと健常ヒトで定常状態の存在も確認された。鼻甲介は粘膜ワクチン設計の要となる部位である。

主要発見

  • 上気道標的IAV接種により、古典的NALT外の鼻甲介で強力な胚中心B細胞応答が誘導された。
  • 鼻甲介の胚中心は組織常在性B細胞を生成し、局所抗体産生を増強した。
  • 上気道志向の免疫でも鼻甲介に顕著な胚中心が形成され、マウスと健常ヒトで定常状態の胚中心が検出された。

臨床的意義

呼吸器ウイルスに対する局所防御を高めるため、鼻甲介の胚中心反応を標的・増強する粘膜ワクチン設計が有望である。

なぜ重要か

鼻甲介という見過ごされがちなリンパ組織ニッチがB細胞記憶と抗体産生を支えることを示し、次世代の鼻腔内ワクチン戦略に直結する知見である。

限界

  • 鼻甲介胚中心に依存した応答の持続性や多様な病原体に対する防御効率の定量は完全ではない。
  • 臨床応用におけるワクチン製剤や投与レジメンは未確立。

今後の方向性

鼻甲介の胚中心応答を特異的に増強する鼻腔内ワクチンを設計し、前臨床・臨床で防御の広さと持続性を検証する。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序解明研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - マウスモデルとヒト組織観察に基づく機序的免疫学研究。
研究デザイン
OTHER