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米国酪農場労働者の結膜炎に関連したclade 2.3.4.4b A(H5N1)の眼感染性と複製:in vitroおよびフェレット研究

The Lancet. Microbe2025-03-21PubMed
総合: 83.0革新性: 8インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 9

概要

ヒト鼻・角膜モデルは複数IAVの複製を支持し、H5N1はH7N7やH1N1に比べ特異的な眼嗜性の増強は示しませんでした。一方、血清学的に未曝露のフェレットではH5N1の眼限定曝露のみで全身性かつ致死的感染と同居個体への伝播が起こり、既存のH1N1免疫は重症化を抑え伝播を防ぎました。

主要発見

  • ヒト角膜・鼻組織モデルはH5N1・H7N7・H1N1の複製を支持し、H5N1の眼嗜性が特異的に強い証拠は認めませんでした。
  • 未曝露フェレットではH5N1の眼限定曝露のみで全身性かつしばしば致死的な感染が成立し、同居個体へ伝播しました。
  • H1N1pdm09に対する既存免疫は眼曝露後の重症度を低減し、接触個体への伝播を防止しました。

臨床的意義

酪農場や研究施設など曝露環境や医療現場での厳格な眼防護の徹底が必要。リスク評価と感染対策に眼露出経路を組み込み、異型免疫が重症化軽減に寄与し得る一方で、総合的PPEなしでは感染防止に不十分な可能性を認識すべきです。

なぜ重要か

眼露出のみで致死的かつ伝播可能なH5N1感染が成立することを示し、人獣共通感染症流行時のPPE・職業曝露対策を直接的に支える知見です。

限界

  • フェレットの例数や統計的検出力の詳細は抄録では不明。
  • 前臨床モデルはヒトの眼曝露の実際や臨床転帰を完全には再現しない可能性があります。

今後の方向性

多様な現場でのヒト眼曝露リスクの定量化、眼接種に対するワクチンや抗ウイルス薬の有効性評価、PPE指針の精緻化と曝露産業における職業サーベイランスの実装が求められます。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
予防
エビデンスレベル
V - ヒト組織モデルと動物モデルによる前臨床実験のエビデンス
研究デザイン
OTHER