低有病率地域におけるリファンピシン耐性検出でのXpert MTB/RIF Ultraの低い陽性的中率は低菌量結核が主因である
Clinical infectious diseases : an official publication of the Infectious Diseases Society of America•2025-03-23•PubMed
総合: 78.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 8引用可能性: 8
概要
Xpert UltraによるRR‑TB判定のうち再検で確認できたのは32%で、菌量が極めて低い検体では89%が偽陽性でした。このため過剰治療が多発しており、極めて低菌量でのRR判定は再検・遺伝子配列・表現型感受性試験での確認を組み込む診断アルゴリズムが求められます。
主要発見
- 初回UltraでのRR‑TB判定のうち、再検で一致したのは32%(41/129)。
- 「極めて低い」菌量の検体では89%がリファンピシン耐性の偽陽性(リスク比8.20[95%CI 3.56–18.85])。
- 参照検査が行われた患者の53%(54/101)が偽陽性により不要なRR‑TB治療を受けていた。
臨床的意義
Ultraで極めて低菌量かつリファンピシン耐性と判定された場合、RR‑TB治療開始前に確認検査を必須化すべきです。再検UltraやrpoB配列、表現型感受性試験を組み込み、陽性的中率を高めます。
なぜ重要か
Ultraが極めて低菌量で耐性を示した場合の不要なRR‑TB治療を防ぐため、結核診断アルゴリズムの即時的な改善に資する重要な知見です。
限界
- 未確認例の全例で参照検査が行われておらず、検証バイアスの可能性
- 単一国での研究であり、他の疫学的状況への一般化に制約
今後の方向性
菌量カテゴリーに応じて確認検査をトリガーする診断アルゴリズムの開発・検証、および改訂ワークフローの費用対効果と患者アウトカムの評価が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- III - 再検査と配列解析・表現型DSTを参照とした全国規模の観察的診断精度研究。
- 研究デザイン
- OTHER