新型コロナ回復後の肺線維症に対する扶正化瘀錠:多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験
総合: 79.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
24週間の多施設二重盲検RCT(n=142)で、FZHYはHRCTで評価した線維化退縮率を改善(71.2%対49.2%、p=0.01)し、8週時のFEV1/FVC上昇、肺炎症の退縮、6分間歩行距離の増加を示し、薬剤関連有害事象は認めませんでした。症状やQOLの有意差はみられませんでした。
主要発見
- 24週の線維化退縮率:FZHY 71.2% vs プラセボ 49.2%(p=0.01)。
- 8週時のFEV1/FVC:FZHY 87.7±7.2% vs プラセボ 82.7±6.9%(p=0.018)。
- 4週時の6分間歩行距離の増加:41.4±64.1 m vs 21.8±50.3 m(p=0.05)。
- 肺炎症退縮率:FZHY 83.8% vs プラセボ 68.8%(p=0.04)。
- 薬剤関連有害事象は認めず。症状およびQOLは有意差なし。
臨床的意義
FZHYはリハビリテーションやビタミンCと併用する補助療法として検討可能ですが、再現性とより広範な呼吸機能検証が必要です。評価にはHRCTと標準化された機能検査を含めるべきです。
なぜ重要か
選択肢が乏しい新型コロナ後肺線維症において、画像学的退縮の改善を二重盲検RCTで示した初期の薬物療法エビデンスです。
限界
- 呼吸機能データが限定的で、症状およびQOLの有意な改善は示されなかった。
- 単一国の試験であり、独立した再現性検証と長期・臨床ハードエンドポイントの追跡が必要。
今後の方向性
より大規模な国際RCTで、包括的な呼吸機能評価、抗線維化薬との比較、増悪・入院・死亡など長期アウトカムを検証し、FZHYの位置づけを明確化する。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験
- 研究デザイン
- OTHER