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ヒト病原体Mycoplasma pneumoniaeおよびMycoplasma genitaliumの接着複合体ダイナミクス

PLoS pathogens2025-03-28PubMed
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8

概要

cryo-EMにより、P1接着因子の閉鎖型に特異的なエピトープが同定され、該当抗体の結合で滑走が停止し細胞の離脱が誘導された。他ドメインへのポリクローナル抗体は無効で、保存的膜貫通部位の変異は付着を変化させ、コンフォメーションサイクルが創薬標的となることが示された。

主要発見

  • P1/MCA4 Fabと結合したP1接着因子のcryo-EM構造により、閉鎖型でのみアクセス可能なCドメイン内エピトープを同定。
  • Cドメイン標的抗体は付着・滑走に必須のコンフォメーション転換を妨げ、運動停止と離脱を誘導。
  • P1 NドメインやP40/P90外部ドメインへのポリクローナル抗体の効果は乏しく、P110の保存エンゲルマンモチーフ変異は付着/運動を変化させた。

臨床的意義

接着複合体の非付着型コンフォメーションを安定化させる抗体・低分子は定着と発症を阻害し得る。エピトープ集中型ワクチンや治療抗体開発の妥当性を裏付ける。

なぜ重要か

主要な呼吸器病原体における運動と付着を機能的に破綻させる構造学的・コンフォメーション依存的エピトープを特定し、非定型肺炎に対する抗体や低分子戦略を示唆する。

限界

  • 感染防御または治療効果のin vivo検証が未実施
  • コンフォメーション選択的抗体や低分子の実用化検証は今後の課題

今後の方向性

接着複合体を非機能状態に固定するコンフォメーション特異的抗体・低分子を開発し、非定型肺炎モデルでの防御効果を評価する。

研究情報

研究タイプ
前臨床実験研究
研究領域
病態生理/診断/治療
エビデンスレベル
IV - ヒト臨床転帰を伴わない構造・機能の前臨床エビデンス
研究デザイン
OTHER