小児期の喘鳴軌跡は後年の喘息トランスクリプトーム差と関連する
総合: 83.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
12出生コホート743例で、(稀・一過性・遅発・持続)喘鳴軌跡ごとに後年の鼻腔トランスクリプトームが異なることが示された。一過性喘鳴は抗ウイルス応答、遅発型はインスリン/糖代謝低下、持続型は2型炎症と上皮発生と関連。持続型に現在喘息を伴う群では神経系および線毛上皮関連遺伝子が優位に発現した。
主要発見
- 乳幼児期の4つの喘鳴軌跡が同定され、後年の鼻腔トランスクリプトームと固有に対応した。
- 一過性喘鳴は抗ウイルス応答モジュール、遅発型はインスリン/糖代謝低下と関連した。
- 持続型は2型炎症と上皮発生と対応し、現在喘息を伴う群では神経系および線毛上皮関連遺伝子がさらに富化した。
臨床的意義
喘鳴軌跡に基づく小児のリスク層別化と、固定化前の疾患段階で特定の免疫・上皮経路を標的にした早期介入が可能となる。
なぜ重要か
早期の臨床表現型を将来の気道分子プログラムに結び付け、喘息のエンドタイプ別予防戦略の基盤を提供するため。
限界
- 観察研究であり因果推論に制約がある
- コホート間の異質性やバッチ効果の影響が残存しうる
今後の方向性
軌跡特異的経路(抗ウイルス訓練、代謝・上皮修飾など)を標的とする前向き介入試験と、気道/肺組織での検証が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- III - 観察的な複数コホート解析により、幼少期表現型と後年のトランスクリプトームを関連付けた研究
- 研究デザイン
- OTHER