まれなEGFR変異を有する非小細胞肺癌に対するアファチニブ対化学療法の実用的ランダム化試験:ACHILLES/TORG1834
Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology•2025-04-16•PubMed
総合: 82.5革新性: 7インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 8
概要
日本の51施設ランダム化非盲検試験(n=109)で、感受性のあるまれなEGFR変異を有する治療未施行NSCLCにおいて、アファチニブは化学療法に比べ無増悪生存期間を有意に延長し、早期終了推奨に至った。初期治療としての標準療法化を支持する結果である。
主要発見
- 51施設で実施されたランダム化非盲検試験において、感受性のあるまれなEGFR変異を有する治療未施行の非扁平上皮NSCLC 109例を登録した。
- 中間解析でアファチニブ有効性が優越し、試験は早期終了勧告となった。
- アファチニブ群の中央値PFSは化学療法群より有意に長く(抄録中に10.6か月と記載)、優越性を示した。
臨床的意義
感受性のあるまれなEGFR変異NSCLCではアファチニブを一次治療として考慮すべきであり、ガイドラインや保険適用の見直しが期待される。
なぜ重要か
一般的な変異以外のまれなEGFR変異に対する初の直接比較ランダム化データであり、初回治療選択に高いエビデンスを提供する。
限界
- 非盲検デザインで評価バイアスの可能性
- 日本人中心の集団であり、他民族への一般化には追加検証が必要
今後の方向性
各希少EGFR変異別のサブグループ解析、第3世代TKIとの比較有効性、国際的検証試験やQOLアウトカムの評価。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 比較有効性を示す高水準のランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER