肺炎および急性呼吸窮迫症候群における全身性コルチコステロイド、死亡および感染:システマティックレビューとメタアナリシス
総合: 78.0革新性: 6インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
20件のRCT(3,459例)の統合解析により、低用量・短期間の全身性コルチコステロイドは非COVID重症肺炎およびARDSの短期死亡を減少させる可能性が高く、院内感染の増加はほとんど認められないことが示唆された。重症肺炎では二次性ショックの減少も示唆された。
主要発見
- 20件のRCT(3,459例)で、全身性コルチコステロイドは重症肺炎の短期死亡を減少(RR 0.73, 95% CI 0.57–0.93)。
- 重症肺炎ではステロイドにより二次性ショックが減少する可能性。
- 重症肺炎およびARDSにおいて、院内感染への影響は小さいまたはない可能性が高い。
臨床的意義
重症市中肺炎およびARDSでは、補助的に低用量・短期間の全身性コルチコステロイド投与を検討し、高血糖や二次感染に留意して管理することが推奨される。
なぜ重要か
COVID-19以外の重症肺炎・ARDSにおけるステロイド使用について、死亡に関わるアウトカムで臨床判断を支えるエビデンスを提示し、長年の論争に応える点で重要である。
限界
- 肺炎重症度分類やステロイド投与法が不均一で、サブグループ精度や用量反応の推定に制限。
- ARDS試験は数・規模とも限定的で、ARDS特異的効果の確実性はやや低い。
今後の方向性
ARDS表現型や重症肺炎サブグループにおける最適投与量・タイミングの直接比較試験、重症度基準の標準化による効果推定の精緻化が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 死亡および合併症を扱う無作為化比較試験のメタアナリシス。
- 研究デザイン
- OTHER