ARDSと敗血症の炎症表現型における縦断的マルチオミクス署名は死亡に関連する経路を同定する
総合: 90.0革新性: 9インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 9
概要
ROSE試験のARDS 160例におけるプラズマメタボロミクスと全血トランスクリプトミクス統合解析により、死亡と関連する4つの分子署名を同定しました。表現型間で共通してミトコンドリア機能障害が認められ、独立した敗血症コホートで再現されました。
主要発見
- 死亡と関連する4つのマルチオミクス署名(先天免疫活性化/解糖亢進、肝機能・免疫障害と脂肪酸β酸化低下、インターフェロン抑制とミトコンドリア呼吸変容、レドックス障害/細胞増殖経路)を同定。
- 炎症表現型に共通する収束的特徴としてミトコンドリア機能障害が示され、Day2でも持続。
- 独立コホート(EARLI)で全署名を検証し、一般化可能性を支持。
臨床的意義
バイオマーカーに基づく層別化と、ミトコンドリア代謝、インターフェロン経路、レドックス恒常性を標的とする介入試験により、ARDS/敗血症治療の個別化と生存率向上が期待されます。
なぜ重要か
炎症表現型を特定の生物学的プログラムに結び付け、治療標的(特にミトコンドリア機能)を示すことで、重症疾患における精密医療を前進させます。
限界
- 二次解析で症例数は中等規模、血液ベースの署名は臓器レベルの不均一性を十分に反映しない可能性
- 因果関係は不明で、治療標的の有効性は前向き試験での検証が必要
今後の方向性
ミトコンドリア生体エネルギーや免疫代謝プログラムを標的としたバイオマーカー主導介入試験、組織レベル検証を含む多臓器オミクスへの拡張。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理/予後
- エビデンスレベル
- II - 死亡との関連を検証した前向きコホート(外部検証あり)。
- 研究デザイン
- OTHER