弱毒化経鼻百日咳ワクチンBPZE1の有効性・免疫原性・安全性:毒性Bordetella pertussisを用いた対照ヒト感染モデルによる英国の無作為化プラセボ対照第2b相試験
総合: 90.0革新性: 9インパクト: 9厳密性: 9引用可能性: 9
概要
本無作為化プラセボ対照ヒト曝露試験で、BPZE1は毒性百日咳菌の定着を予防または大幅に低減しました。適切接種量のプロトコール準拠集団では、曝露後9・11・14日のいずれでも検出不能であった割合がBPZE1群60%、プラセボ群25%(p=0.033)でした。安全性は良好で、有害事象は主に軽度で重篤事象はありませんでした。
主要発見
- 適切接種量のプロトコール準拠集団:曝露後9・11・14日での未検出はBPZE1群60%(12/20) vs プラセボ群25%(4/16)(p=0.033)。
- 修正ITTではBPZE1優位の傾向(未検出58% vs 33%、p=0.091)。
- 反応原性は概ね軽度で、重篤な有害事象や有害事象による中止はなし。
臨床的意義
より大規模な第3相で確認されれば、BPZE1は保菌・伝播を抑制することで現行戦略を補完または代替し、集団効果による流行制御や乳児保護の再構築につながる可能性があります。
なぜ重要か
生ワクチンが百日咳菌の定着を阻止しうることを示した初の対照ヒト感染RCTであり、現行アジュバント化ワクチンの限界(感染・伝播阻止困難)に正面から取り組む成果です。
限界
- 症例数が少なく、対象は18–50歳の健常成人で一般化可能性が限定的。
- 追跡期間が短く、臨床的発症ではなく定着に焦点。目標より低い曝露量の被験者も存在。
今後の方向性
より幅広い集団(青年・妊婦等)での第3相試験により、効果持続性・伝播抑制・臨床発症予防効果の評価と、免疫学的相関指標の確立が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 無作為化プラセボ対照のヒト曝露試験で有効性・安全性を示した。
- 研究デザイン
- OTHER