凍結保存組織を用いた肺・免疫二重ヒト化マウスはヒト風邪コロナウイルスの感染と免疫プロファイリングを可能にする
総合: 84.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 9
概要
凍結保存ヒト胎児肺組織を用いた肺・免疫二重ヒト化マウスが確立され、229E、NL63、OC43、HKU1の感染が頑健に成立しました。HKU1に対するPaxlovidの治療効果が検証され、ヒト免疫細胞の表現型差異、ウイルス特異的T細胞応答、HKU1感染後のSARS-CoV-2交差反応性が示されました。
主要発見
- 凍結保存ヒト胎児肺組織の移植を最適化し、移植片の生着が向上、229E・NL63・OC43・HKU1の頑健な感染を支持した。
- 二重ヒト化モデルでHKU1に対するPaxlovidの治療効果を検証した。
- 二重ヒト化マウスで、マウス固有肺とヒト肺移植片におけるヒト免疫細胞の表現型差異を同定した。
- HKU1感染後のウイルス特異的T細胞応答とSARS-CoV-2交差反応性を実証した。
臨床的意義
前臨床段階ながら、ヒト嗜好性呼吸器コロナウイルスに対する抗ウイルス薬やワクチン戦略の実践的な評価を可能にし、臨床ワクチン設計に関連する交差防御の予測に寄与します。
なぜ重要か
凍結保存組織を用いたスケーラブルで実務的なヒト化肺モデルを提供し、ヒト嗜好性コロナウイルスの病態・治療評価や交差免疫の検討を可能にしました。CCCoV研究の主要な障壁を克服し、汎コロナワクチン戦略に資する成果です。
限界
- 前臨床マウスモデルであり、ヒト肺の構築や長期の免疫動態を完全には再現しない可能性がある。
- 胎児由来組織と特定の生着条件に依存し、施設間の再現性・一般化に制約がある可能性。
今後の方向性
汎コロナワクチンの評価、抗ウイルス薬の検証拡大、年齢や併存症別の免疫相互作用の解明へと応用する。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例集積
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - ヒト臨床アウトカムを伴わないヒト化マウスによる前臨床機序研究のエビデンス
- 研究デザイン
- OTHER