COVID-19呼吸不全患者における覚醒下腹臥位:ランダム化臨床試験
総合: 78.0革新性: 6インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
COVID-19低酸素性呼吸不全の非挿管成人445例で、1日6時間以上の覚醒下腹臥位は挿管/死亡の減少(平均OR 0.74)に対する事後確率93.8%を示した。副次評価でもICU外生存日数や退院外生存日数の確率的改善が示唆された。
主要発見
- 主要複合転帰(28日以内の挿管/死亡):APPの有益性の事後確率93.8%(平均OR 0.74、95%CrI 0.48–1.09)。
- 副次転帰では、ICU外生存日数(+1.28日、95%CrI −0.78〜3.34)および病院外生存日数(+1.55日、95%CrI −0.22〜3.32)でAPPに有利な傾向。
- 介入は1日6時間以上の覚醒下腹臥位、ITT解析とベイズモデルを採用。
臨床的意義
非挿管の低酸素性COVID-19肺炎患者には、1日6時間以上の覚醒下腹臥位を推奨し、忍容性と順守をモニタリングする。呼吸管理バンドルに組み込むことが望ましい。
なぜ重要か
本多施設RCTは、低コストで拡張性の高い介入が低酸素性COVID-19肺炎での挿管回避に寄与し得ることを高いエビデンスで示した。
限界
- 信用区間が1.0を跨ぐ点、盲検化されておらず標準治療群でも自発的腹臥位が可能
- 順守状況や実際の腹臥位時間のばらつきにより効果推定が希釈された可能性
今後の方向性
APPの最適な時間・タイミング・適応患者を明確化し、HFNC/NIVとの併用プロトコルや医療体制での実装戦略を検討する。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 多施設ランダム化臨床試験(ITT解析)
- 研究デザイン
- OTHER