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術後敗血症および手術部位感染リスク患者の同定を目的とした外科患者のゲノム解析

The journal of trauma and acute care surgery2025-01-06PubMed
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8

概要

本GWAS(n=59,755)は、術後敗血症と関連する染色体9(rs9413988)および14(rs35407594)の2遺伝子座を同定し、手術部位感染とも関連を示した。PGM5P2/ZNGF1近傍および嗅覚受容体OR11ファミリーに位置し、転写制御などの機能的関与が示唆される。遺伝学的リスク層別化と機序研究の仮説生成に資する結果である。

主要発見

  • 術後敗血症に対し、染色体9(rs9413988, p=5.59×10^-12)と14(rs35407594, p=1.43×10^-10)の2座がゲノムワイド有意性に到達した。
  • 関連SNPは手術部位感染の感受性とも重複した。
  • 近傍遺伝子(PGM5P2/ZNGF1やOR11ファミリー)は、宿主応答に関連し得る転写制御などの機序関与を示唆する。

臨床的意義

周術期前の遺伝学的リスク層別化により、術後敗血症/SSI高リスク患者を同定し、監視強化、予防策、個別化周術期管理に活用できる可能性がある。

なぜ重要か

術後敗血症/SSIに対する大規模な遺伝学的関連の初報であり、新規生物学と実用的なリスク予測を示す。精密な周術期医療の基盤となる。

限界

  • 外部検証コホートが報告されていない
  • 表現型定義が電子カルテコードに依存し、誤分類や残余交絡の可能性がある

今後の方向性

多民族集団での再現、原因変異のファインマッピング、機能解析による免疫経路との連結を進め、周術期リスクツールに統合する。

研究情報

研究タイプ
症例対照研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
III - 大規模観察的遺伝学的関連研究でリスク座位を同定
研究デザイン
OTHER