蛋白キナーゼC-αを標的化すると敗血症での生存延長と肝機能回復が得られる:前臨床モデルからのエビデンス
総合: 81.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
PKCαの遺伝学的欠損または薬理学的阻害により、敗血症マウスで肝排泄機能が回復し、病原体排除能を保ちつつ生存率が改善しました。臨床承認薬ミドスタウリンの再定位は、敗血症関連肝不全に対する実現可能な宿主標的治療を示唆します。
主要発見
- PKCαノックアウトおよびミドスタウリンによるPKCα阻害はマウス敗血症で肝排泄機能を回復させた。
- 遺伝学的・薬理学的アプローチの双方で病原体排除能を損なうことなく生存率が有意に改善した。
- ミドスタウリンは患者で血漿胆汁酸と炎症を低下させ、トランスレーショナルな関連性を支持した。
臨床的意義
臨床的に検証されれば、PKCα阻害(例:ミドスタウリン)は免疫抑制を伴わずに肝排泄機能を回復させる付加的治療として、敗血症関連肝不全の臓器サポートに寄与し得ます。
なぜ重要か
敗血症の肝排泄不全の機序ドライバーとしてPKCαを同定し、再定位可能な承認薬で有効性を示すことで、トランスレーションを加速し得ます。
限界
- 前臨床データであり、敗血症患者における有効性は未証明
- ミドスタウリンのオフターゲット作用や重症患者での用量・薬物動態は未検討
今後の方向性
敗血症関連肝機能障害におけるPKCα阻害の用量設定・安全性試験を行い、肝機能と臨床転帰を評価する初期臨床試験へ進める。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例対照研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 前臨床動物研究に支えられた所見であり、ランダム化臨床データはない
- 研究デザイン
- OTHER