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敗血症を合併したがん患者におけるメチレンブルー高用量と低用量の比較:無作為化盲検対照試験

BMC anesthesiology2025-01-09PubMed
総合: 77.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

敗血症性ショックを伴うがん患者90例の二重盲検RCTで、メチレンブルー(1または4 mg/kgボーラス+持続)は、プラセボと比べ血管作動薬中止までの時間を短縮し、血管作動薬フリーデイズを増加、ノルアドレナリン用量を低減した。4 mg/kgボーラスでは死亡抑制の関連が示唆された。

主要発見

  • メチレンブルー(1または4 mg/kgボーラス+72時間持続)は、プラセボより血管作動薬中止までの時間を短縮した。
  • 28日までの血管作動薬フリーデイズが増加し、ノルアドレナリン用量が低下した。
  • 主要評価項目では1 mg/kgと4 mg/kgの差は明確でなく、安全性は良好で有害事象の増加はなかった。
  • 4 mg/kgボーラスはプラセボに比して死亡率低下と関連(HR 0.29, 95%CI 0.09-0.90)。

臨床的意義

ノルアドレナリン高用量が持続する血管拡張性ショックでは、試験やプロトコール下でメチレンブルーの早期補助投与を検討し得る。G6PD欠損やセロトニン作動薬併用など禁忌を確認し、パルスオキシメトリへの影響に留意する。

なぜ重要か

無作為化盲検の臨床エビデンスにより、敗血症性ショックの血管拡張性低血圧に対する補助療法としてメチレンブルーの有用性と生存利益の兆候が示された。

限界

  • 対象はがん患者で症例数も限定的なため一般化可能性に制約
  • 死亡は副次評価で有意傾向にとどまり、生存利益の検出には十分な検出力がない

今後の方向性

多様な敗血症性ショック集団を対象に、至適用量・適応患者(血管拡張性表現型など)を明確化しつつ、生存利益を検証する多施設大規模RCTが必要。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - 無作為化二重盲検対照試験
研究デザイン
OTHER