英国の入院小児における細菌感染の確定または疑いを対象としたプロカルシトニン指標に基づく抗菌薬投与期間(BATCH試験):実践的・多施設・非盲検・2群・個別無作為化・対照試験
総合: 76.5革新性: 6インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
1,949例の入院小児を対象とした多施設実践的RCTにおいて、プロカルシトニン指標アルゴリズムは静脈抗菌薬投与期間を短縮せず、安全性は通常診療に対し非劣性であった。堅牢な小児抗菌薬適正使用体制がある場では、同アルゴリズムの routine な導入は支持されない。
主要発見
- 静脈抗菌薬投与期間の短縮なし:中央値96.0時間(PCT群)対99.7時間(通常診療群);ハザード比0.96(95% CI 0.87–1.05)。
- 安全性は非劣性:複合有害事象は両群9%;調整後リスク差−0.81%(95% CI上限1.11、非劣性マージン5%未満)。
- 15施設で1,949例を年齢と施設で最小化割付した実践的多施設RCT。
臨床的意義
強固な適正使用体制が整う施設では、静脈抗菌薬期間短縮のみを目的としたプロカルシトニン指標アルゴリズムの導入は推奨されない。現行の適正使用に基づく意思決定を継続すべきである。
なぜ重要か
現行の適正使用体制下でプロカルシトニン指標治療を検証した最大規模の実践的小児RCTであり、ガイドライン・政策に直結する否定的エビデンスを提供する。
限界
- 非盲検デザインのため、主要評価項目は客観的であるものの臨床医の行動に影響し得る。
- 適正使用が強固な英国の状況に依存し、他地域への一般化に限界。静脈投与期間に焦点を当てており、総抗菌薬曝露を反映しない可能性。
今後の方向性
適正使用体制が未成熟な環境でのプロカルシトニン単独または複合バイオマーカー・アルゴリズムの有用性を評価し、重症敗血症や免疫不全などバイオマーカー指標が価値を持ちうるサブグループを探索する。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 多施設ランダム化比較試験による高水準エビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER