敗血症に対するサイモシンα1の有効性と安全性(TESTS):多施設二重盲検無作為化プラセボ対照第3相試験
総合: 76.5革新性: 6インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 8
概要
多施設二重盲検第3相RCT(n=1106)で、サイモシンα1は28日全死亡を低減しなかった(HR 0.99)。副次・安全性評価にも差はなく、年齢および糖尿病での相互作用シグナルは仮説生成的所見である。
主要発見
- 28日全死亡はサイモシンα1群23.4%、プラセボ群24.1%(HR 0.99、95%CI 0.77–1.27、P=0.93)。
- 副次評価項目および安全性に有意差なし。
- 事前規定サブグループで相互作用:年齢(<60歳HR 1.67 vs ≥60歳HR 0.81;相互作用P=0.01)、糖尿病(ありHR 0.58 vs なしHR 1.16;相互作用P=0.04)。
- 介入はサイモシンα1の12時間毎皮下注を7日間実施。
臨床的意義
成人敗血症に対するサイモシンα1の常用は避けるべきである。実施する場合は免疫表現型に基づく層別化を備えた臨床試験に限定すべきである。
なぜ重要か
本試験は敗血症におけるサイモシンα1の死亡率低減効果を否定し、不要な治療の撤退と今後のバイオマーカー指向の免疫療法試験設計に資する。
限界
- 単一国内(中国)の試験であり一般化可能性に制限の可能性
- サブグループ所見は偶然の可能性があり、バイオマーカー指向の患者選択がない
今後の方向性
免疫表現型で層別化した敗血症免疫療法試験の設計、適応的デザインや早期生物学的エンドポイントによるサブグループ利益の検出を検討する。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験(成人1106例、主要評価項目は28日死亡)。
- 研究デザイン
- OTHER