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H3K14乳酸化はSLC40A1/トランスフェリン媒介のフェロトーシスを促進し敗血症性ARDSの内皮障害を駆動する

MedComm2025-01-17PubMed
総合: 83.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

敗血症マウスにおいて、乳酸依存的H3K14乳酸化が肺内皮で増加し、TFRCおよびSLC40A1プロモーターでの転写制御を介してフェロトーシスを促進した。解糖抑制によりH3K14laと内皮活性化は低下し、解糖–乳酸化–フェロトーシス軸が敗血症関連ARDSの治療標的となり得ることが示唆された。

主要発見

  • 敗血症マウス肺では乳酸とH3K14乳酸化が上昇し、とくに肺内皮細胞で顕著であった。
  • 解糖抑制によりH3K14laと内皮活性化が低下し、代謝とエピジェネティクスの連関が示された。
  • H3K14laはTFRCおよびSLC40A1プロモーターに富み、敗血症性肺障害でフェロトーシスと血管機能障害を促進した。

臨床的意義

解糖、H3K14乳酸化、フェロトーシス実行因子といった薬理学的標的を提示し、敗血症性ARDSでのフェロトーシス阻害薬や乳酸化調節薬の探索を後押しする。

なぜ重要か

ヒストン乳酸化が敗血症関連ARDSの内皮フェロトーシスに関与することを初めて示し、多層オミクスとエピゲノム解析を統合した点で革新的である。

限界

  • ヒトでの検証がなく、臨床的外的妥当性に制約がある
  • H3K14la/フェロトーシスの治療的介入はin vivoで検証されていない

今後の方向性

ヒト敗血症性ARDS組織でH3K14la標的を検証し、乳酸化/フェロトーシス阻害薬を適切なモデルおよび初期臨床で評価する。

研究情報

研究タイプ
症例対照研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 多層オミクスとエピゲノム解析を統合した敗血症マウスでの前臨床機序研究
研究デザイン
OTHER