グラム陰性菌で宿主傷害性外膜小胞産生を促進する保存的毒力因子ファミリーの発見
総合: 87.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
保存的SDRファミリー(CprA/HlyF相同体)が外膜小胞産生を駆動し、オートファジーを阻害・非古典的インフラマソーム活性化を増強してグラム陰性菌の病原性を高める。cprA欠失はマウス敗血症モデルで毒力を低下させ、抗毒力標的としての有望性を示した。
主要発見
- CprA発現はオートファジー流を阻害し非古典的インフラマソーム活性化を高めるOMV産生を誘導した。
- cprA欠失P. aeruginosaはマウス敗血症モデルで毒力が低下した。
- E. coliのHlyFやY. pestis、R. solanacearumのSDR相同体もOMV産生とオートファジー阻害を促進した。
臨床的意義
SDR依存のOMV生合成を阻害する、あるいはオートファジーを回復させる介入は、抗菌薬圧をかけずにグラム陰性菌の毒力低減に寄与し得る。
なぜ重要か
SDR酵素とOMV介在の宿主傷害を結ぶ種横断的機序を明確化し、敗血症に関連する実行可能な抗毒力標的を提示する。
限界
- 多様な臨床分離株におけるOMV介在効果の毒力への定量的寄与は未確立
- ヒト感染への翻訳性と治療標的化の実証には薬理学的in vivo検証が必要
今後の方向性
SDR依存OMV生合成の低分子/生物学的阻害薬を開発し、オートファジー回復・インフラマソーム抑制の宿主標的戦略を敗血症モデルで検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 機序解明の実験研究(マウス敗血症モデルでの検証あり)
- 研究デザイン
- OTHER