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マクロファージにおけるIL-10分泌にはミトコンドリア複合体III由来スーパーオキシドが必須である

Science advances2025-01-22PubMed
総合: 87.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8

概要

マクロファージのミトコンドリア複合体III由来スーパーオキシドは、TLR3/4刺激後のIL-10分泌に必須である。複合体III欠損マウスはエンドトキシンショックに高感受性であり、PKA活性化によりIL-10分泌が救済されることから、敗血症耐性に関わる免疫代謝軸が示唆される。

主要発見

  • 複合体III欠損マクロファージはTLR3/4刺激後のIL-10分泌が低下し、マウスはIAVおよびLPSエンドトキシンショックに高感受性となった。
  • スーパーオキシドを産生しない代替酸化酵素による呼吸回復では、IL-10分泌やショック感受性は救済されなかった。
  • PKA活性化によりCIII欠損BMDMでIL-10分泌が回復し、IL-4応答はCIII欠損の影響を受けなかった。

臨床的意義

前臨床段階だが、ミトコンドリアシグナルやcAMP/PKA経路を標的としてIL-10を回復させる戦略は、敗血症やエンドトキシン血症の宿主耐性を高め得る。

なぜ重要か

抗炎症性サイトカイン放出とショック防御にミトコンドリア由来ROSが必要という新機序を示し、cAMP/PKA経路による敗血症制御の可能性を拓く。

限界

  • 複合体III由来スーパーオキシドとPKAシグナルの直接的連関は未解明
  • ヒト敗血症への翻訳性は未確立で、マウスおよびBMDMモデルに限られる

今後の方向性

複合体IIIスーパーオキシドからcAMP/PKA・IL-10転写への分子仲介を解明し、薬理学的調節因子を敗血症モデルやヒトマクロファージで検証する。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 前臨床の機序研究(マウスモデルおよび一次細胞)
研究デザイン
OTHER