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急性腎障害を有する重症患者における高度の陽性体液バランスの予測:多施設国際研究

Journal of critical care2025-01-25PubMed
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

日常取得可能な変数から作成したEMR由来AKI-FBスコアは、AKI診断後72時間の+2 L超の陽性体液バランスをAUC 0.805(外部AUC 0.761)で予測しました。主要予測因子は敗血症/敗血症性ショック、Cr、当日体液量、昇圧薬使用・用量、乳酸、輸血、栄養でした。

主要発見

  • ICU患者32,030例でAKI-FBリスクスコアを開発し、外部4,465例で検証。
  • スコア閾値32で72時間の+2 L超陽性バランスを感度75%・特異度72%(AUC 0.805、外部AUC 0.761)で予測。
  • 敗血症/敗血症性ショック、最高Cr、当日累積体液バランス、人工呼吸、ノルアドレナリン使用・用量、乳酸≥2 mmol/L、輸血、栄養が主要因子。

臨床的意義

高リスクAKI患者に対し、早期の脱蘇生(利尿薬、腎代替療法、昇圧薬下での慎重な輸液)を支援し、EMR連携のアラートや体液管理プロトコルの実装に役立ちます。

なぜ重要か

有害な体液貯留の高リスクAKI患者を事前に特定し、ICUの体液管理や臨床試験の組入れに直ちに活用可能なツールを提供します。

限界

  • 前向き介入での実装や転帰改善の実証が未実施
  • 提供母体以外への一般化や多様なICUでの較正には追加検証が必要

今後の方向性

体液バランス、AKI進展、死亡率への影響を評価する前向き実装試験と、脱蘇生プロトコルの意思決定支援との統合が求められます。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
III - 大規模後ろ向きコホートによるモデル開発と外部検証。
研究デザイン
OTHER