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重症感染症患者におけるメロペネム延長投与と間欠投与の死亡率・臨床転帰への影響:システマティックレビューとメタアナリシス

Journal of infection and chemotherapy : official journal of the Japan Society of Chemotherapy2025-01-27PubMed
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

14研究(1,698例)の統合で、メロペネム延長投与は間欠投与に比べ、全死亡率の低下、臨床改善、菌消失率の向上を示し、ICUや入院在院日数に差はなかった。効果は低重症度(APACHE II<20)で顕著であった。

主要発見

  • 延長投与は死亡率を低下(RR 0.81、95% CI 0.68–0.98)。
  • 臨床改善(RR 1.35、95% CI 1.11–1.64)と菌消失(RR 1.19、95% CI 1.08–1.32)で延長投与が優越。
  • ICU・入院在院日数に有意差なし。APACHE II<20で利益がより明確。

臨床的意義

特に低重症度患者でメロペネムの延長投与プロトコールを検討し、抗菌薬適正使用および治療薬物モニタリングと統合してMIC超過時間の最適化を図る。

なぜ重要か

PK/PDに基づくカルバペネム投与戦略を臨床的に裏付け、重症治療で議論の続く論点に死亡率低下というエビデンスを提示する。

限界

  • RCTと観察研究の混在により残余交絡の可能性。
  • 投与法や対象集団が不均一で、死亡率改善にもかかわらず在院日数への影響は限定的。

今後の方向性

重症度層別や起因菌を跨いで効果を検証する、標準化した延長投与プロトコールとTDMを組み合わせた大規模RCT(CONSORT準拠)が望まれる。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー/メタアナリシス
研究領域
治療
エビデンスレベル
I - メロペネム投与法に関するRCTと観察研究を含む事前登録メタアナリシス
研究デザイン
OTHER