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救急外来で検査なしに敗血症をスクリーニングするツールの開発と検証:機械学習研究

EClinicalMedicine2025-01-29PubMed
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8

概要

救急外来の非検査データのみで構築したqSepsis(ロジスティック回帰)は内部AUROC 0.862、外部0.766と良好で、SIRS・qSOFA・MEWSを上回りました。AUPRC 0.213と検出力は高い一方で、陽性的中率が低く臨床現場で偽陽性が増える可能性があります。

主要発見

  • qSepsis(ロジスティック回帰)のAUROCは内部0.862(95%CI 0.855–0.869)、外部0.766(0.758–0.774)でした。
  • 外部検証でqSepsisはSIRS(AUROC 0.704)、qSOFA(0.579)、MEWS(0.600)を上回りました。
  • AUPRCはqSepsisで0.213であり、SIRS(0.071)、qSOFA(0.096)、MEWS(0.083)より高い一方、陽性的中率が低く誤警報の懸念があります。

臨床的意義

qSepsisは検査が遅れる・利用困難な状況や院前・高稼働EDで迅速トリアージを支援し得ます。陽性的中率が低いため、臨床判断と確認検査を補完する形での運用が必要で、前向き実装研究が求められます。

なぜ重要か

検査不要で世界的に一般化可能な敗血症スクリーニングを提示し、従来スコアを上回って救急外来の時間的ボトルネックを解消し得る点が重要です。

限界

  • 後ろ向き設計でSepsis-3の定義に依存したラベリングバイアスの可能性
  • 陽性的中率が低く偽陽性増加の懸念;前向きな臨床ワークフロー評価が未実施

今後の方向性

多施設前向き実装試験により臨床効果・アラーム負荷・公平性を評価し、多様なEDでのキャリブレーションと院前トリアージとの統合を検討する。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
診断
エビデンスレベル
III - 大規模後ろ向き導出と外部検証であり、前向きの臨床転帰評価は未実施。
研究デザイン
OTHER