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Shh/Gli1軸に媒介される3型ヨードチロニン脱ヨード酵素(Dio3)の活性化は、敗血症に伴う骨格筋の代謝異常を促進する

Burns & trauma2025-01-29PubMed
総合: 76.0革新性: 9インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7

概要

敗血症ラットおよびヒト組織でDio3は早期に上昇し、rT3は臓器障害と関連しました。骨格筋でのDio3抑制は甲状腺ホルモン応答性を回復し、GLUT4機能と筋量を維持、蛋白代謝の恒常性を保ちました。Dio3再活性化はSTAT3に誘導されるShh/Gli1による転写制御により生じ、Shh阻害は全身TH作用を改善しました。

主要発見

  • 敗血症早期に骨格筋と肺でDio3が上昇し、rT3は臓器機能と強く関連しました。
  • 筋特異的Dio3抑制は組織TH作用を回復し、GLUT4機能を保護、速筋から遅筋への移行を抑え、合成と分解のバランスを維持して筋量を保持しました。
  • Dio3再活性化はSTAT3に誘導されるShh/Gli1により転写制御され、Shh阻害(シクロパミン)が全身TH応答を改善しました。

臨床的意義

前臨床段階ではあるものの、Dio3または上流のShh/Gli1を標的化することで敗血症の筋分解や同化抵抗性の軽減が期待され、rT3などのバイオマーカーに基づく患者層別化も将来の試験で有用となり得ます。

なぜ重要か

Shh/Gli1シグナルが組織のTH不活化と敗血症関連筋萎縮を結び付ける新規機序を示し、Dio3/Shhを治療標的として提示する点で意義があります。

限界

  • 前臨床段階であり、Dio3/Shh標的化のヒトでの適用性・安全性は未検証
  • ヒト組織の採取条件やサンプル数が抄録では明示されていない

今後の方向性

Dio3/Shh調節の標的占有と安全性を検証するPhase 0/1試験、rT3を用いた層別化の評価、栄養・リハビリ介入との統合的戦略の検討。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
IV - ヒト組織による補強を伴う良好に制御された前臨床in vivo研究であり、臨床転帰は未評価。
研究デザイン
OTHER