健常な睡眠パターンと敗血症発症との関連:大規模住民ベース前向きコホート研究
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7
概要
UK Biobankの40万9570人を平均13.54年追跡した結果、5項目の健常睡眠スコアが1点高いごとに敗血症発症リスクは5%低下した(HR 0.95, 95%CI 0.93-0.97)。この負の関連は60歳未満でより強く、健常睡眠は敗血症関連死亡や集中治療入室とは関連しなかった。
主要発見
- 健常睡眠スコアが1点上がるごとに敗血症リスクは5%低下した(HR 0.95, 95%CI 0.93-0.97)。
- 最も健常な睡眠(スコア5)はスコア0–1に比べ敗血症リスクが24%低かった(HR 0.76, 95%CI 0.69–0.83)。
- 60歳未満で負の関連がより強かった(交互作用p<0.001)。敗血症関連死亡や集中治療入室との関連は認めなかった。
臨床的意義
医療者はリスクの高い成人に対する予防ケアとして睡眠衛生の指導を組み込み、特に60歳未満で睡眠パターンを敗血症リスク層別化に考慮できる。敗血症発症抑制を目的とした介入実装には、因果性を検証する試験が必要である。
なぜ重要か
人口規模で敗血症発症と関連する修正可能な行動因子を同定し、予防戦略と介入研究の仮説形成に資する。
限界
- 睡眠行動は主に自己申告であり、分類誤差の可能性がある
- 観察研究のため因果推論に限界があり、残余交絡の可能性がある
今後の方向性
睡眠介入による敗血症予防を検証する無作為化試験・準実験、睡眠生物学と感染感受性を結びつける機序研究、多様な人種・地域での外部検証が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- II - 多変量調整を伴う大規模前向き住民コホート。
- 研究デザイン
- OTHER