致死性マウス・レプトスピラ症ではサイトカインストームではなく、心筋炎と好中球媒介の血管漏出が関連する
総合: 76.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
致死性マウス・レプトスピラ症ではIL-10上昇、好中球増多、好中球介在性の血管漏出がみられ、主たる死因は心筋炎であった。敗血症の知見とは異なりサイトカインストームは認められず、免疫病態と治療標的の再考を促す。
主要発見
- サイトカインストームや大量のネクロトーシスは認められず、IL-10とRANTESが上昇していた。
- 重症化は好中球増多と好中球媒介の血管透過性亢進と関連した。
- マウスモデルにおける主たる死因は心筋炎であった。
臨床的意義
重症レプトスピラ症では心筋炎を念頭に置き、抗サイトカイン療法に加えて、好中球介在の血管透過性を調節する戦略の可能性を検討すべきである。
なぜ重要か
敗血症様細菌感染におけるサイトカインストーム中心の通説に挑戦し、心筋炎と好中球媒介の血管漏出を致死機序として特定した。
限界
- マウス腹腔内感染モデルからヒト疾患への外的妥当性に限界がある
- サンプルサイズや統計の詳細は抄録内に記載がない
今後の方向性
ヒト・レプトスピラ症における心筋炎と好中球標的治療の検証、血管漏出を予測するバイオマーカー探索が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- 基礎/機序研究(in vivo)
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 臨床介入を伴わない前臨床の動物機序研究
- 研究デザイン
- OTHER