敗血症の精密診断と重症度評価における血漿・血球併用メタゲノムシーケンスの役割:敗血症患者における前向きコホート研究
総合: 76.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
147検体の解析で、血漿mNGSは細菌/真菌100%、ウイルス97%の高感度を示し、血球mNGSは培養との一致が高い結果でした。両者陽性は免疫活性化シグネチャ、SOFA/PCT/CRPの悪化、低生存率と関連。併用mNGSは事前抗菌薬の影響を培養より受けにくいことが示されました。
主要発見
- 血漿mNGSの感度は細菌/真菌100%、ウイルス97%;血球mNGSはそれぞれ88%、71%
- 血球mNGSは血液培養との一致が高く、生菌同定の示唆となる
- 両者陽性はSOFA高値、PCT/CRP高値、IFN誘導遺伝子低発現・JAK-STAT高発現など免疫活性化、低生存率と関連
- 広域抗菌薬は培養の検出低下に強く影響したが、p/bc-mNGSへの影響は相対的に小さい
臨床的意義
培養陰性例や事前抗菌薬投与例の診断に血漿+血球の併用mNGSを導入し、両者陽性を高重症度の警戒サインとして厳密なモニタリングに活用できます。
なぜ重要か
病原体検出能の向上と予後層別化という敗血症診療の二つの重要課題に、実装可能な相補的シーケンス戦略を提示します。
限界
- サンプル数が中等度で単施設バイアスの可能性
- 参照標準の不完全性やmNGSのコンタミ/解釈の課題が残る
今後の方向性
適切治療開始までの時間や臨床転帰への影響を評価する多施設試験、報告閾値の標準化、敗血症診療経路での費用対効果評価が必要です。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- II - 培養/qPCRを基準とした診断精度評価を伴う前向きコホート
- 研究デザイン
- OTHER