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現行の抗真菌薬用量は重症患者に十分か?ICUにおける抗真菌薬曝露スクリーニング(SAFE-ICU)国際多施設薬物動態研究の結果

Intensive care medicine2025-02-03PubMed
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

30施設・339例の国際前向きPK研究では、治療中の抗真菌薬の目標到達が複数薬剤で不十分(例:ボリコナゾール57.1%、アムホテリシンB41.7%)で、ばらつきが大きい一方、予防では概ね>80%達成でした。治療的薬物モニタリングと用量最適化の必要性が示されました。

主要発見

  • 12カ国30施設のICUで339例を対象とした前向き多施設PK研究
  • 治療目的ではボリコナゾール57.1%、ポサコナゾール63.2%、ミカファンギン64.1%、アムホテリシンB41.7%と目標到達が低い
  • 予防目的では多くの薬剤で>80%の目標到達
  • 病原体陽性例のうちMIC情報が26%にとどまり、個別化PK/PD最適化が制限された

臨床的意義

アゾール系を中心にTDMの導入とPKに基づく用量調整を検討し、可能な限りMIC測定を行い、予防と治療で投与戦略を区別することが推奨されます。

なぜ重要か

ICUでの抗真菌薬低曝露は敗血症の転帰不良に直結し得ます。本多施設PK研究は精密投与に向けた実践的エビデンスを提供します。

限界

  • 用量標準化や臨床転帰を主要評価項目としない観察的PK研究
  • MIC情報が病原体陽性例の26%に限られた

今後の方向性

PK指向投与と標準投与を比較するランダム化または適応型試験、リアルタイムMIC統合、ICU多様表現型に応じた母集団PKモデルの洗練が求められます。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
治療
エビデンスレベル
II - 前向き多施設コホートでPK目標到達を評価
研究デザイン
OTHER